2005年03月19日

サイドウェイ(Sideways)

picsideways3.jpg何か久々のカキコだ。以前「本当に駄目なオヤジの話で」とススめられた「アメリカン・スプレンダー」という映画を観て、こんなに辛いことがあるならば、生きるのが嫌だと本気で思った西中島・南方ですが、みなさんいかがお過ごしでしたでしょうか。「アメプス」の何が嫌かって、駄目な変人が自分を全肯定して生きているっていうその暴力性なのだ。まあ、実在の人物の伝記なので(しかも本人が生きてる間に映画になっちゃったっつーか本人も出てるし、確か)、とやかく言う話でも無いけど、あんな生き方は嫌だ。
さて、その「駄目なオヤジ」を神経症的に見事に演じきっていたのが、ポール・ジアマッティというオッサン。今回紹介する「サイドウェイ」でも、離婚してグズグズ煮え切らないワインキチガイを、今度は軽鬱気味に演じきっている。
離婚直後の作家志望中年男(ハゲ)と、結婚を控えた、落ち目俳優(最近の仕事はCMの声優くらい)の二人が、一週間のカリフォルニアのワイナリー巡りショート・トリップに出かけたその先で、それぞれに女性との出逢いが・・・みたいなロードムービーなわけだが、主人公がたびたび傾けるワインの薀蓄には聴く耳持たず、「これはヤリチン旅行なんだから楽しもうぜ」と断言する、アロハ馬鹿な相棒との掛け合いが楽しい。そして、まさに_| ̄|○  鬱だ折ろう...な事件の連続は、男なら誰しも身に覚えのあるような事ばかり。
男同士のくだらない友情と、臆病だったり軽薄だったり、たまに深刻だったりする男女の化かし合いをひたすら軽妙に、ひたすら哀切に描いた本作を、そして人生はワインの如く深みと渋みのあるものだ、なんてうまい事を言ってまとめるつもりはサラサラ無いが、脚本、撮影、キャストの芝居、音楽の全てが1分の隙もなく完璧に作用した至極の一品だと、これは勝手に大絶賛したい! 上半期心のベスト3には必ず入れたい作品だ(これも勝手)。
同じ主演男優が同じような服装で出てくる「アメスプ」と「サイドウェイ」。しかし「サイドウェイ」は「アメスプ」とは真逆に生きることに前向きになれる映画だ、と言うと大袈裟だが、ちょっとは幸せになれる映画だ、くらいには言っておきたい。仕事に疲れた雨の日に観ると、だいぶ救われるんじゃないだろうか。是非。

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2005年02月27日

トニー・モンタナ トーキング・フィギュア

tony.jpg我が家には食玩を除くと大物フィギュアが2つある。ひとつはダース・ベイダーで、もう一つは力石徹。どっちも貰いものだ。何かフィギュアが大好きで、ガンプラより、塗装済みのモビルスーツフィギュアばっかり買っている同僚が「やっぱマクファーレン・トイの奴は違うな」とか言ってんのを、まるで別な宇宙から来た人を見る目つきで眺めていた俺だが、そんなフィギュア不感症の俺をシビレさせる究極のフィギュアが登場した!!
巨匠ブライアン・デ・パルマ監督作品「スカーフェイス」の主人公、アル・パチーノ演じるトニー・モンタナフィギュアが ソレダ!!ヽ(´∀`)9 ビシ!!

まずは、どんな人にもお求め安い12インチフィギュア。ただのフィギュアと侮るなかれ。このフィギュア。トニーの名台詞をなんと9種類も喋ることが出来るのだ。もちろん台詞は映画本編からのとって出し! 「あのゴギブリ野郎どもをブチ殺してやるぜ」など、トニーが映画そのままに毒づいてくれる(
試聴も出来るぞ!)。
ファッションも「ポン引き」ネックレスにタイトな白スーツと赤のシルクシャツ。手にはベレッタのM92。30箇所の間接で自由なポージングが可能だ。もちろん、限りなくアル・パチーノに近い顔面造形にも注目して欲しい。
そして、な、なんと今回は、さらに3種類のスペシャル・ヴォイスを楽しめるExclusive Editionも同時発売。お値段は$45.00。結構安いんじゃない? いや相場がわからんのでアレですが。

さて、実は、今回紹介するトニー・モンタナはもう1種類。12インチフィギュアに較べても、より凶悪な面構えの1/4スケール:トニー・モンタナ。この45cmを超えるリアルスタチューも見逃せない。ポリストーン製の本体に、高級生地の衣装で、こちらは非可動。「俺は楽しみの為だったらコミュニストを殺すが、グリーンカードの為だったら、そいつをマジきれいに切り刻んでやるぜ」とかいう台詞は喋りはしないが、そのポスターよりアグレッシヴな表情の造形は何より、トニーの性格をより雄弁に物語っている。こちらのお値段は$250.00。むむ、いよいよ手を出せない領域になって来たぞ。我々日本人の暮らすウサギ小屋にはちょっと余る感じの大物だ。

いずれにしても、こちらの商品、日本からも注文できるみたいなので、誰か買ったら教えて下さい。正直、これを買う勇気は結局ありません。誰かヽ( ゚д゚)ノクレヨ

↓では、最後に再度トニー・モンタナ名台詞を紹介しておこう。↓

You got good stuff here, class A ****!!!!!

××××には好きな言葉を入れてください。
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2005年02月25日

ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還

lotr.jpgいやーamazonからは発売前日に来てたんだけどね。で、運んできたペリカン便のおっさんが「今日はamazonさん多いねー」と言っていたそうだ。みんな買うよね、やっぱり。
というわけで、長かった(12時間)フロド様の旅もついに終わりだ。ローハンの王様が檄を飛ばすシーンあたり、「二つの塔」の壮絶な戦闘シーンとは違って、クロサワっぽい作りで良かったね。ファラミアの特攻とか、エオメル死んだ? なとこは鳥肌もんだし、概ね満喫。とかいいつつ、サルマンが塔から落っこちて死んだ後あたりで、やや落ちた。いや、眠かったもんで。
最後の大蛇足は「王の帰還」のエンディングとしてはやや冗長なものの、「ロード・オブ・ザ・リング」三部作のエンディングと思えば、まあ許せるかな。遠い昔に読んだ記憶のある原作でも、指輪棄ててからが異様に長かったような気がするし。
ちなみに、最近、会社では仕事を放棄することを「エルフの国に行く」と言うことにしています。みんな仕事でボロボロに傷ついてるからねー。エルフの国で癒せるものなら喜んで船に乗りますとも。
2枚の特典ディスクにも相当、期待してるんだけど、見る暇ねーよ(;´Д`)。ところで、いつぞや「旅の仲間」SEEの隠し映像でジャック・ブラックが大活躍、というネタを書いた気がするけど、「王の帰還」SEEの隠し映像は(多分)メリーやってた人(いや、メリーとピピンの区別がつかないのさ)が、イライジャ・ウッドにドッキリインタビューをする、というもの。最初は普通のインタビューだったのが、段々「ゲイ」話になって、最後に「実はドッキリでしたー」っつって大笑いって感じ。衛星インタビューということになっているので、イライジャにはインタビュアーが見えないっていう仕掛け。
この隠し映像の出し方はいままでと一緒。本編ディスク1枚目のチャプターセレクトで、一番最後のチャプターからさらに下を押下。すると指輪のマークが出現するので、そこで再生を。まあ、あれだ。「旅の仲間」のJBがあまりにも可笑しかったので、以降の二つの隠し映像はちょっと期待はずれかな。
というわけで、次は日本語吹き替えで2度目の本編鑑賞を予定。そしていつか、きっと、12時間耐久「ロード・オブ・ザ・リング スペシャル・エクステンデッド・エディション」大会をやるつもりだ。いつか、きっと。
posted by 西中島・南方 at 21:48| Comment(0) | TrackBack(0) | ムービー★スター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年02月09日

レイ(Ray)

ray.jpgジェイミー・フォックスって多分アメリカじゃ有名なコメディアンなんだろう。というのも「エニイ・ギブン・サンデー」の無鉄砲だけど純粋で若気の至りなんでスンマセンみたいな感じとか、「コラテラル」での妙に饒舌で、類型的な善人キャラが、いかにもアメリカーナで害の無い感じだったので、あーこれは雨上がり宮迫がやたらと映画に出るのと同じだなと思ったわけです。普段バカなコントをやっている奴が、映画やドラマで糞真面目な芝居をする→あれ、意外に芝居出来るんだ→ていうか芝居( ゚Д゚)ウマー? みたいな流れですか?
んで、「レイ」のジェイミーは本当に優等生的に芝居がウマイ。本物のレイ・チャールズに良く似てる、とかは判断がつかないものの、シャブ中で女たらしなトラウマ系盲目天才ミュージシャンというのを完膚なきまでに演じきっている。アカデミー賞を取っても誰も文句は言わないと思われるくらい、嫌味なほど、毛ほどの瑕疵も無い。
映画本篇の方はというと、ジェイミーの芝居に釣られるように他の出演者の誰もが、力の入った熱演っぷりで、ブラック・パワー全開の黒人賛歌になっている。いや、正直、レイの成り上がりっぷりはジェームス・ブラウンの伝記を読んでいるようなパワフル・ストーリーなのだ。実際、レイが成功してから、南部でライブするのしないの、ってエピソードはJBの伝記でも聞いたような話だし。
ただ、何分レイ・チャールズの半生自体がエピソード満載のフルコース・ライフ・ストーリーなので、それらを忠実にこなすだけで、レイ自身の感情の揺れる様がちょっと弱いような気もした。「スカーフェイス」みたいなラストの猛爆があれば・・・ってありえねーな。ま、役者の芝居がややユルなストーリーを補うことで、何とか緊張感を保ちながら観られるのかもしれない。何しろ2時間半くらいの長尺ですからねえ。(;つД`) やや眠。
そうそう、映画の中盤くらいでゴスペルをR&B調で歌うレイが、保守的な黒人に石投げられるみたいなシーン(別に本当に石投げられるわけじゃないが)があるんだけど、ワカモノは神への冒涜とか関係なく「乗れるんだからいいじゃん!」みたいなこと言いながら踊るわけですよ。いやなかなかうまい事デフォルメされた、レイ・チャールズトンガリ伝説で感心したよ。つーわけで音楽好きなら楽しめるイッポンでした。
posted by 西中島・南方 at 23:57| Comment(0) | TrackBack(1) | ムービー★スター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年02月01日

カントリー・ベアーズ

bears.jpg基本的にD社が嫌いだ。「ジャングル大帝」をパクったとか、版権が厳しいとか(往年のPCゲーム「デゼニランド」とか今だったら出せないと思う)、商売があこぎだとか、映画の宣伝は嘘ばっかり(あ、これは正確にはD社ではなくB社ですな)だとか、Pixerの映画をまるで我が物みたいにしてるとか、Dランドに朝から並んで開門と同時に午後のショーのチケットをゲットするために猛ダッシュをかますD社ファンが時折鬱陶しい、とかまあそんなことが複合的に俺の心から黒いネズミへの憧憬を奪い取っていったわけです。初めて親に連れられて観た映画は多分「わんわん物語」なのに。
そんな俺の目にふと止まったのが今回紹介する「カントリー・ベアーズ」だ|‘д‘ )ノィョゥ
2年位前にひっそりと公開されていたようだけど、猛烈ノーマーク。知人からウワサを聞きつけ早速、観た。
とある家庭の朝、熊のベアリーが食卓について一言、「どうして僕はみんなと違うの?」。つーか人間の家族の中にいきなり熊の着ぐるみがッ。いきなりシュールだ。どうもこのベアリー君(名前が「熊」ってまんまなのも尚更シュールだ)、森でお父さんに捕まったらしいのだが、それはともかく、何で普通に喋ってんの? とか何で二足歩行? とか挙句の果てにギターとか弾いてますが? とか細かいことは説明無しの問答無用な設定が潔い。
で、この熊が「自分を取り戻すために」何故か同じく熊の癖にナチュラルに人間世界で暮らしている、かつての伝説のカントリーバンド「カントリー・ベアーズ」復活ライブのためにジタバタする、というのが大筋。
カントリー・ベアーズが活動拠点としていた「カントリー・ベアー・ホール」とかいうのが、バンド解散以来すっかりさびれて、銀行の借金のカタに取り壊されそうになっていたりするのだが、その借金を取り立てに来る銀行屋が、な、なんとクリストファー・ウォーケン。この人は大好きだが、「ディア・ハンター」以外でまともな芝居をしていた記憶がない。捕虜にされた時のロシアン・ルーレットがいけなかったのか、ベトナムから帰ってきてからというもの、怪力黒人女に裏切られた挙句ゴールデン・ゲート・ブリッジから落ちたり、友人の形見の指輪をケツから出したり、ネズミ駆除に来てネズミにこてんぱんにやられたり、くびちょんぱになって馬に乗ってみたり、ファット・ボーイ・スリムの歌で踊ってみたり、ベトナムがアメリカに落とす暗い陰を体現したようなキャラ(誤解)だけど、今作でも悪ふざけすれすれの怪演が光っちょります。
何気に他にも、ドン・ヘンリーやらクイーン・ラティファ、ブライアン・セッツァー、ウィリー・ネルソン、イグジビット、エルトン・ジョンまで出演の豪華キャスト! 彼らが熊とからむ姿を拝むだけで、得も言われぬ居心地の悪さが襲ってくるですよ。
夕闇の住宅街をよたよたと歩み去って行く熊の着ぐるみ(声:オスメント君)を、軽い俯瞰で取ったショットなど、最近観た映画の中ではもっとも脱臼させられるシーンだ。
基本的には超子供向け(そもそもDランドのアトラクション連動ムービーらしいし)のご都合主義、音楽がカントリーって時点で非日本人向けなんですが、何かすごく為になるとか、人生について深く考えさせられるとか、明日から会社行きたくなくなるとか、そういう作用はないので、お暇な時に、いや、色んな事が笑って許せるくらいの平和な昼下がりに、是非。オススメですよ、旦那。
posted by 西中島・南方 at 01:46| Comment(0) | TrackBack(0) | ムービー★スター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年01月27日

キングコング

Jack&PJ.jpgこと映画に限らずアメリカ人と日本人の嗜好は大きく違うもので、それは文化的背景に拠るものでもあるのだけれど、例えば「デアデビル」を始めとする「スパイダーマン」を除く、いわゆるアメコミの日本における駄目っぷりは強烈なものがある。映画が文化の輸出だったアメリカ=ハリウッドにすれば、顕著な失敗例であるこれらアメコミと、ちょっと似た文脈で危険な香が立ち上ってくるのが、今冬、日米同時後悔、もとい公開される「キングコング」である。
「ハルク」大コケ(あ、これはUSでも芳しくなかったが)の記憶も生々しいだけに、キャラクターの認知度は高いけど、「観たくない」アメリカンキャラクターのような気がしてならないキングコング。街でビルに張り付いている巨大なキングコングを見ることはあるけれど、じゃあ新しく映画になったからって観たいか? ハリウッド版ゴジラ並にどーでもいーですよ♪ な超ビッグプロジェクト(何しろ製作費が現時点で$110,000,000だとか)である。アメリカはいいですよ、そりゃ。そして俺のような「ロード・オブ・ザ・リング」と「スクール・オブ・ロック」崇拝者はいいですよ。ピージャク監督でJB出てるから(主役じゃないけど)。でもJBなんて、ジム・キャリーかアダム・サンドラー並に日本受け悪そうなんですけど。
つまり、今年の夏以降、日本でも雑誌やらテレビやらで「キングコング」にまつわる壮大な無駄遣いが、我々の眼に触れていくことになるんじゃないかと、これは当てのない予言なんですけどね。

そんな「キングコング」を西中島・南方(12歳)は応援します(,,゚Д゚) ガンガレ!
posted by 西中島・南方 at 00:49| Comment(0) | TrackBack(0) | ムービー★スター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年01月03日

憎みきれないろくでなし

お待たせしました(待ってないですか)。「幻の湖」原作(橋本忍著)読了です。以前書いたように、基本的に映画まんま。我々の疑問にはそれ程答えてくれないサブテキストでござんしたね。まずは以下に、映画に描かれなかった情報を挙げておきましょう。
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posted by 西中島・南方 at 18:46| Comment(2) | TrackBack(1) | ムービー★スター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年12月09日

ラン・トゥ・ユー

maboroshi.jpgこの世の中には知らなくてもいいけど、知っておくと何かの時に役に立つ珍作・怪作・迷作な映画がいくつかあるのだが、壮大な失敗作という意味では「幻の湖」は突出した存在だろう。断っておくが「デビルマン」のように存在自体が罪な映画は別な意味で突出しているのであって、「幻の湖」とは同列に並べることは許されない、つーか許さない。
リンク先をamazonとしたのは、amazonのサマリーがあまりにも良く出来ているため。まあ本作を要約するのは不可能なので、決して「正確」ではないが。
amazon曰く。

>橋本忍が贈る奇妙なSFドラマを初パッケージ化。
>何者かに愛犬を殺されたソープ嬢・道子は復讐を誓い、犯人を捜し始める。
>実はこの復讐劇には戦国時代からの怨念が絡んでおり、
>さらに事態は政府の宇宙開発を巻き込み、ジョギング対決へと発展していく。

ちなみに主人公は正確には「ソープ嬢」ではなくトルコ嬢である(同じだッて!)。
橋本忍という人は、ご覧の通りの超巨匠だったりするのだが、「七人の侍」「砂の器」の脚本家をして、その輝かしいキャリアを全て帳消しにしてしまったに違いない本作の内容は、一見、分裂症の作文みたいな上記梗概に要約される「奇妙なSFドラマ」である。ちなみに、特撮(!)は「マタンゴ」の中野昭慶。哀愁すら感じさせるショボイ特撮で観る者を釘付けにしてくれる。しかもラストシーンで。
その衝撃度合いは是非、「幻の湖」+「宇宙パルサー」でググっていただきたい。死ぬほどヒットするから。しかし、どのサイトも概ね「爆笑ものの珍品」扱いで、場合によっては本気で貶しているのが残念でならない。案外好きだったりするのよ、俺、この映画。確かに、あまりにも突飛な展開は人によっては噴飯物だし、爆笑物の迷台詞(多分、橋本忍的には大真面目)のオンパレードが許せない人もいると思う。
しかし、戦国時代の逆さ磔から、宇宙空間での船外遊泳まで、土曜ワイド劇場女優、南條玲子演じる「お市さん」の生き様を、犬と出刃包丁をキーに、暗躍するアメリカ人トルコ嬢=実は巨大諜報機関のエージェントとの交流も交えつつ、ただ只管に女が走り続ける描写によって(無理矢理)描き切ったこの2時間40分の力作をただ笑って見過ごすのはあまりにも惜しいと思えるのだ。
とか内容について書いてる俺が、何か頭おかしいこと書いているように見えてきたよ。ともあれ、ご覧になった方がいらっしゃったら、是非、感想をお聞かせください(「北京原人」とか「さよならジュピター」の感想でも可)。
では、最後に、1982年映画公開時の橋本忍からのメッセージを紹介しておこう。

>誰もが走っている。
>みんなが走っている。
>ただ遅いか早いか、走っていることを意識するしかないかだけだ
>「砂の器」は宿命的な親子の旅だった。
>「八甲田山」は白い地獄の雪の中を這いずりまわる群像たちの喘ぎだった。
>三作目の「幻の湖」は、怒りを追い、夢を追い、涙と愛を追い、
>彼岸の彼方の永遠のロマンを追い、ただ走り続けるものを描きたい。

というわけで、橋本忍先生自身が彼岸の彼方へぶっとばされてしまいましたとさ。合掌。
posted by 西中島・南方 at 22:04| Comment(0) | TrackBack(1) | ムービー★スター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年12月06日

ゴリラがバナナをくれる日

angyoメディアミックスだなんだで儲かりまくっている鋼の錬金術師は、理詰めのオタクライクな完成度であまり好きではない。まあ、でも話の筋は通っているし、画力も一定以上。次から次へと登場する個性的なキャラと、制服フェチにはたまらない軍人ファッション。テレビシリーズを爆発的人気のうちに終了し、音楽CDソフトなどで間をつなぎながら、夏の映画もそこそこ計算が立つ優良コンテンツだろう。
さて、一方で最近人から借りて読んだのが「新暗行御史」。韓国発のファンタジー漫画だ。話の筋は韓国の伝説をもとにしたものが多く、日本人には馴染まないものもあるが、ぶっちぎりの画力で、キメ画を見開きでやられると、感心するしかない。
ビジネスとしては、単行本がどんだけ売れているのか知らないが、TVシリーズをすっとばして、いきなりの映画化である。東京・大阪のみ、しかも池袋と梅田のスカイビルでは、商売としては多くを望むべくも無い。映画への出資会社の多さからすると、それぞれの出資者のリスクは少ないし、韓国での番組販売も期待できるとしての企画だろうから、こちらはこちらで一理はあるコンテンツ活用だ。
それにしても、一般人から見て同じオタク漫画にしか見えないハガレンとアンギョーの間にある、月とスッポンほどの、雲と泥ほどの儲け具合の格差は何だろう。方やスクエニの「ガンガン」、方や天下の小学館の「月刊サンデー」連載だが、誰もが角川=「少年エース」=エヴァよろしく、セフィロトの樹ならぬ「金の成る樹」を求めて安易な企画を乱発している様は、あんまりにも小さい。話が小さすぎる。ま、でも下手な鉄砲も数打ちゃ当たるわけで、当たったときのリターンを考えると、それこそ「エヴァ」のように、やめられないよな、コンテンツビジネス。

話は全然関係ないが、今テレビでやってる新宿の年収1億円ホストの芸風が、阿部サダヲと一緒なのが笑ろた。
posted by 西中島・南方 at 22:59| Comment(4) | TrackBack(0) | ムービー★スター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年11月22日

アンチ・エブリシング

改めて振り返ってみるとスタジオジブリ作品は「ナウシカ」以来、「千と千尋」までスクリーンでは観ていなかった。「ナウシカ」は原作まで買って入れ込んだのに、以降「ラピュタ」から「もののけ」まで観ていないのだ。「トトロ」や「魔女宅」ですら、最近までテレビでも観ていなかった。そして毎年お盆に放送される「火垂るの墓」に至ってはいまだに観たことが無いというこの非国民っぷり。
今までに多分100人くらいと「ジブリでは何が好き?」という、世が世ならオタクトークと言われかねない生ぬるいトークをしてきたが、多分一番人気は「ラピュタ」だ。いかんせん観たことが無いので「パズーが好き」とか言われても返す言葉が無い。そんな俺が一番好きなジブリ作品は「耳をすませば」だったりした事もあったのだが、一般的に切なく甘酸っぱい作品といわれている「耳すま」なだけに、まるでセンチメンタル気質同士、傷舐めあいトークに振られる事が変に多いので、最近は言わないようにしている。何か登場人物が皆、幽霊みたいなシュールさが好きだったのだが。「耳すま」は死の匂いに満ちている。
で、「千尋」の公開後くらいに「もののけ姫」のDVDをもらってからは、すっかり「もののけ」ファンである。いやマジであのテンションには参った。善人も出てこなけりゃ悪人も出てこない。人生ってそんなもんだし、人間が生きるってそんな事よねと、これはもうすっかり全肯定するアニメだ。○皇が神を殺すなんていうアニメを作る凶暴さがステキだ。
と、一通りジブリ嗜好を詳らかにした上で「ハウル」なんだが、「もののけ」「千尋」に較べたら明らかに喰い足りないお話だ。映像、演出のどれをとっても、「スチームボーイ」や「アップルシード」とは格が違う。今年観たアニメでクオリティにおいて拮抗しうるのは「イノセンス」くらいだが、やっぱり「ハウル」の方が見応えがある。
しかし、いかんせん話が散漫で、物語の終盤などは明らかに帳尻合わせの尻切れトンボに見えた。メッセージ性ということで言えば、執拗に描かれる掃除・炊事・洗濯・老人介護に現代人が忘れた(であろう)、ありうべき家庭像の快復を望む、まるでハウス食品のCMのようなノスタルジーを見て取ったが、そこには「もののけ」の野蛮さも、「千尋」の他者との断絶という批評性も無いようだ。今や「ジブリブランド」ともいうべきドル箱映画となったジブリ作品が、某テレビ局製作映画とは対極の質素な露出で公開されることと、この「ハウル」の小品っぷりは決して無縁なことではないだろう。公開されるだけで、これほど過度な期待を集めてしまうと、「期待はずれ」と言って「ハウル」クサすことはちょっと酷な気がするのだった。まあ観て下さい。
posted by 西中島・南方 at 22:40| Comment(2) | TrackBack(0) | ムービー★スター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年11月06日

リベンジ・オブ・ザ・シス

revengeついにというか、やっとというか、ともかくも"STAR WARS EPISODE III REVENGE OF THE SITH"のトレーラーが公開された。
前半はEPISODE IVからオビ・ワンのモノローグ。いわく、ベイダーっていう裏切り者のジェダイが最強で、みんな殺された、と。んで、極悪面のアナキンが振り返った後、例の呼吸音が入って皇帝の呼びかけ、「ロォード・ヴェイダァー・・・」ベ「イエス・マスタァー」皇「ルァアーイズ」とか言いながらベイダーが起き上がってくる演出に不安を禁じ得ない。そして、最後20秒くらいでフラッシュバックされる新しい映像の数々についても、歓声を上げるウーキーたちがジャージャーたちを髣髴とさせるとか、あいかわらずパペットの動きを最新の技術で再現するという倒錯した存在であるCGヨーダも健在だとか、全然目新しくないのだが、まあそれが却って「スター・ウォーズ」らしくていいのかな、とか思い直すことにした。
同日、スポーツ紙にも掲載されたティーザーポスターの方は地味なことこの上ないっつーかデザインのセンスを疑う(ってのも毎度のことだ)。眼の上下に傷の入ったアナキンは一部で早速、大槻ケンヂと呼ばれたりしている。
ともあれ、今回「アナキンが何故ダース・ベイダーになったか? など、様々な謎がついに明かされる」とかいう感じで煽られる事になると思われるが、よーく考えてみても、ファンにとって、「謎」なんて別に無いじゃん。何がどうなろうと、EPISODE IV〜VIの話からは絶対に逸脱出来ないから。ちなみに西中島・南方としては、なんで皇帝があんなに一生懸命ライト・セーバーを振り回しているのかが気になるのでした。って結局楽しみにしてんじゃん。
posted by 西中島・南方 at 23:12| Comment(2) | TrackBack(0) | ムービー★スター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年11月04日

なんだったんだ?7days

casshern実は「デビルマン」を観た後、ついウッカリ「CASSHERN」(2度目)をビデオで観てしまったのだが、何も新しい発見は無かった。が、伊勢谷友介の芝居でさえまともに見えるのだから恐ろしい。麻生久美子は相変わらず寝っ転がってるだけなので、芝居もヘッタクレも無い。
んで、毒を食らわば皿までというわけで、「キューティー・ハニー」もTSUTAYAで借りてみた。後悔した。しかも新作扱いで翌日返却しなきゃならんあたりがさらに脱力だ。アクションシーンはそれなりに斬新なのでまあ良しとしたいが、基本的に自主映画っぽくて退屈な映画なんだなー。バカっぽく見せよう見せようという演出が役者の芝居を上滑りなものにしているようだ。
というわけで、隠していたが「NIN×NIN」も観てしまっているので、2004年人気漫画の実写化シリーズ全部を振り返ってみると、ましな順に、駄目映画の「CASSHERN」>>退屈な「キューティー・ハニー」>何故造った!?「NIN×NIN」>>>>>クソ映画「デビルマン」という、当初予想からは考えられない評価順になってしまった。ちなみに「キューティー・ハニー」と「NIN×NIN」にそう差は無い。
まあ良く考えてみれば「ルパン三世」にしても「ゴルゴ13」にしても、太古の昔より、名作漫画の実写映画作品はトンデモ映画ばかりだったのだから、そう深刻に嘆くことではないのかも。20年くらい経って、珍品豊作の年として記憶に残る1年となったことは、却って喜ばしいことかもしれない。そういえばまだ「鉄人」が残ってるな。
※画像は会社の後輩に教えてもらった切ない事件。
posted by 西中島・南方 at 23:34| Comment(2) | TrackBack(0) | ムービー★スター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年11月03日

ステアウェイ・トゥ・ヘヴン

shinagawaようやく気持ちが落ち着いてきたのだが、先週末に「デビルマン」を観に行った。行ったのは品川プリンスシネマ。つまらない映画館だった。
それにもまして、いや、あり得ないほどの酷さで俺を打ちのめしたのが「デビルマン」だ。俺が言いたいことの半分くらいは、こちらのサイト(映画デビルマンを徹底的に叩く!!)に書いてあるので、是非、熟読して欲しい。話はそれからだ。
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2004年10月25日

イッツ・ユア・ディスティニー

george土曜日に甲州街道を通って南大沢方面へ。ちょっとした所用だったのだが、ひょっとしてもしかして、TOHOシネマズ南大沢で「デビルマン」を観られるかもしれないと、上映時間をチェックしたら、既に朝10:30からの1回上映になっていた。そんなに朝早く観にいけるほど近所ではないのだ。無念。
映画の中身は相当に相当らしいと、もっぱらの評判だけに早く観たい。丸の内東映なら11月12日まで確実にやっているはずなので、と油断していると見逃すこと受けあいだ。従ってここにまた、書いておく。「絶対観なきゃ」。「誰も知らない」はそろそろ「観なくてもいいか」なムードが流れているのだ。
ところで、北米では11月5日の"The Incredibles"からいよいよ「スター・ウォーズ エピソードIII」のトレーラーがかかることになったらしい。日本ではきっと11月20日の「ハウル」合わせと思われるが、それ目当てで劇場に来るクレイジーはいるのだろうか。前回(Ep.II)は「ムーラン・ルージュ」の時だったので、何となく一般映画ファンに紛れていたが、今回はファミリー中心の客層だけに、絶対浮くな。ルーカスフィルムのロゴが出たら頑張ってヒューヒュー言って欲しいものだ。
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2004年10月17日

トリロジー

trilogyげに恐ろしきはBlogかな。どうも金曜日から風邪を引いたらしく、いい感じに熱が出ているというのに「ブ、Blogを書かなくては・・・」とうなされていたらしい(もちろんウソ)。
というわけで、やっと「スター・ウォーズ」トリロジーBOXを観終わった(ただし本編のみ)。いかにEp.I、Ep.IIがつまらなかったかを再認識するとともに、やっぱりEp.Vが最高傑作だと当たり前の結論を導くに終わったのであった。
で、今回のBOXは97年ごろ(だったかな?)に劇場公開された「特別篇」バージョンでの収録。「スター・ウォーズ」自体、初のDVD化なので、初公開バージョンが観たいという好事家には不向きかも。それにしても何しろ画が猛烈にキレイ。レイアのブスっぷりがより鮮明に! マニアにはたまらん。さらに、各本編には今回のDVD化のための変更が・・・!
詳細は適当にググッて探して欲しいのだが(つまりそれくらいどうでもいい変更です)、「ジェダイの帰還」(一応、DVD化に合わせて新しいタイトルで)でダース・ベイダーが荼毘に付されたあと、半透明化しての登場シーンが、ヘイデン・クリステンセンに! とても善の心が目覚めて息子を暖かく見守る目つきじゃない。そりゃ、あのアミダラを狙ってるときのギラギラ目つきだよ、アナキン!
さあ、次は12月の「王の帰還」SEEだな! 楽しみ楽しみ。
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2004年10月13日

デビルマン

先週の金曜日から映画「デビルマン」が公開されているはずだ。幼稚園の時に友達の家で原作を読んだのが運のツキ。「デビルマン」は俺のトラウマとなり、何度も読み返して追体験を繰り返した今でも心のコミックBEST3をあげろといえば、必ず入れたくなる「デビルマン」。満を持しての実写映画化なのだが・・・、予告で見る限り、目を覆いたくなるCGのショボさ。案の定、ボロクソに言われている映画評。
だが、観たい。はっきり言って「CASSHERN」の時より観たい。でも観たくない。あの原作を冒涜するような出来のものを目撃する事に耐えられるのか、俺(既に駄目な映画と決め付けてますが)。あーこのアンビバレンツ。
一方で「ぶっちぎりで暗い」と評判の「誰も知らない」で、とりあえず人生を見つめ直してみようかとも思う今日この頃。珍しく映画を観たい気になっているのだった。疲れてんのか?
posted by 西中島・南方 at 00:43| Comment(0) | TrackBack(0) | ムービー★スター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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