2005年02月23日

彗星の住人(無限カノン1)

suisei.jpg正直、島田雅彦の本は10年振りぐらいに読んだのだが、あんまり変わってなくて安心した。
そもそも、「僕は模造人間」かなんかで、「仮面の告白」をパロったように、今回も三島の「豊饒の海」のパロディ入ってます。
「君」と呼ばれる若い娘が行方不明になった父を探すというのが導入なんだが、実はその父の、「禁断の恋」が主題。初恋の相手が皇太子妃となり、決して結ばれることの無い悲恋を描くのが、この「彗星の住人」から続く「無限カノン」3部作なのだ! ということらしい。問題のお父さんの名前はカヲル。さしずめ、モテモテで悩み多き薫中将といったところ。事実、カヲル君、もてまくりだ。
で、この辺が島田雅彦の面目躍如というところなんだろうが、実はカヲルのお祖母さんはあの蝶々夫人だったりするんだな、これが。趣味のオペラをここまで臆面もなく自身の創作に織り込ませるあたり、「模造人間」の魂百まで死なずって感じだ。
一方で、カヲルの父、野田蔵人は、映画監督「O津Y二郎」(この微妙な伏字!)の紹介で国民的映画女優(Y津O二郎と言われると原節子を想定しますわな)と昵懇になるが、実はこの映画女優、米軍統治下のマッカーサー元帥の愛人だった! みたいな裏日本史まで嘘八百を並べ立てられると、改めてフィクションを読む楽しみを思い出させてくれる。
ともあれ、この「皇太子と三角関係」というネタが出版の足枷になって、出版が遅れたようなことが、後書に書いてあったけれど、まあそもそも「サヨク」(ただしナンパな)なんだから、この程度の話題づくりは、さもありなんと思ったりして・・・
何か最近「ライトノベル」を続けて読んでいたので、こういう「ちゃんとした」のを読むと少なからずほっとする。「君と僕」だけでは語れない世界というものを、ちゃんとしたフィクションで語ること、こういう本は今時、案外少ないものだ(エラそう(;´Д`)。
posted by 西中島・南方 at 21:56| Comment(0) | TrackBack(1) | 本棚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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